コンテストのテーマ
想像しよう、未来社会を。
〜Society5.0〜
これまでの情報社会(Society 4.0)では知識や情報が共有されず、分野横断的な連携が不十分であるという問題がありました。人が行う能力に限界があるため、あふれる情報から必要な情報を見つけて分析する作業が負担であったり、年齢や障害などによる労働や行動範囲に制約がありました。また、少子高齢化や地方の過疎化などの課題に対して様々な制約があり、十分に対応することが困難でした。
Society 5.0で実現する社会は、IoT(Internet of Things)で全ての人とモノがつながり、様々な知識や情報が共有され、今までにない新たな価値を生み出すことで、これらの課題や困難を克服します。また、人工知能(AI)により、必要な情報が必要な時に提供されるようになり、ロボットや自動走行車などの技術で、少子高齢化、地方の過疎化、貧富の格差などの課題が克服されます。社会の変革(イノベーション)を通じて、これまでの閉塞感を打破し、希望の持てる社会、世代を超えて互いに尊重し合あえる社会、一人一人が快適で活躍できる社会となります。
「第1回プロクラスキッズ プログラミングコンテスト2022」ではそんな未来社会に「あったらいいな」と思うモノやコトを、生徒のみなさんにプログラミングで自由に表現していただきました。
募集要項について
「第1回プロクラスキッズ プログラミングコンテスト2022」は全国のプロクラスキッズに在籍する生徒様に加え、マインクラフトの授業を導入いただいている岡山学芸館清秀中学校の生徒様を対象に開催しました。
エントリー期間は2022年7月1日〜2022年8月22日で、プロクラスキッズの各教室から幅広い作品をエントリーをいただきました!
作品のカテゴリーはマインクラフト、ゲームアプリ、スクラッチ、ロボットベーシック、ロボットスタンダードの5コースの中から生徒様が自ら選択し、今回のテーマでもある「想像しよう、未来社会を。〜Society5.0〜」を自由に表現していただきました。
提出物は、①コンセプトシート②プログラミングの中身がわかるもの(プロジェクトファイルや画像キャプチャ)③実行中の動画の3種類。プログラミングを始めたばかりの低学年の生徒様に限り、専用のレジュメに絵や文章などでつくりたいものを描いていただくのみも可という形式を採用しました。
選考について
作品の審査はコンテストの主催である四条烏丸校の講師陣で厳正に行われました。
コンテストのテーマを理解し「未来社会にあったら良いなと思うもの」が表現できているかに注目しながら、プログラミングスキルをはじめ、発想の「独創性」や「再現性の高さ」なども評価のポイントにしました。
今回集まった作品の傾向としてはマインクラフトを使ったプログラミング作品が多くエントリーしており、“未来社会で活躍してくれるロボット”が傾向として多くなりましたが、中にはドット絵を使ったアート作品や、思い描く未来像などをアニメーションで表現した作品もあり、審査員一同バラエティあふれる表現に驚きと関心を覚えつつ、楽しく審査することができました!
生徒のみなさんそれぞれが表現したいものを再現できており、プロクラスで学習したことをしっかりと形として昇華させてくれていたことが何より喜ばしい事でした!
表彰式の様子
コンテストの表彰式は2022年9月10日に、プロクラスキッズ四条烏丸校で行われました。
当日は四条烏丸以外に、受賞された他教室の生徒様も駆けつけてくれた他、会場に来られない生徒様もオンラインでご参加いただきました。
なかなか経験のないことということもあってかみなさん緊張されていましたが、賞状授与の際にはとても嬉しそうに賞状を受け取ってくれていました。
今回の受賞を機にプログラミングをすることや、何かを作ることに楽しんで取り組んでくれたらと感じます!
宅配エレベーター
吉澤 海遊斗さん(高校一年生)
作品形式マイクラプログラミング
最優秀賞に選ばれた吉澤さんがテーマにしたのは、建物の中をまるでエレベーターのように行き来する配送ロボットです!
配達員がマンションのエントランスにあるポストに荷物を入れると、ロボットが自動的に指定された階まで荷物を持っていってくれ、反対に住民が各階のポストに荷物を入れるエントランスのポストまで持っていってくれるようになっています。
「元々は倉庫の中で荷物を仕分けするロボットを作っていましたが、この仕組みをマンションなどで応用すれば、高齢者の人が最小限の移動で荷物を受け取ったり、配送に出したりできると思いました。」とコメントしてくれました。
ロボットの仕組みを考えている時や、機能を付け加えてより便利にしていく時に楽しみを感じているそうで、開発者として今後の成長もとても楽しみです!
受賞のポイント
基本的な配送機能以外にも、荷物がいっぱいの時にエラーコメントを返す処理などを組み込んでくれており、いろんな使用状況を想定した作りになっていました。
マンションの外観も近代的でかっこいいデザインになっていたり、提出資料も綺麗にわかりやすくできていたりと、総合的に考え抜かれたクリエイティブを見せてくれました!
-
木こりお助けロボット スマート林業
宮川 菜月さん(小学6年生)
作品形式マイクラプログラミング
「社会の授業で、古い木を全部切っていかないと環境破壊になると習いました。」
宮川さんは未来の林業についてアイデアを膨らませてくれました。
成長した木をロボットが自動的に伐採し1箇所にまとめる仕組みを目指す中で、マイクラの機能でもあるホッパーを上手に利用したり、授業で習っていないプログラミングの機能などにもチャレンジしたりと、できるたけ作りたいもののイメージに近づけるためにあらゆる方法を自分なりに探しながら取り組んでくれました。受賞のポイント
プログラミングは繰り返しをベースに丁寧に組まれていました。
また、習ったことのない機能を試してみると言ったモチベーションの高さが大きなポイントになりました。
発想も独創的で、日当たりをよくするために「空に浮かんだ大地に植林されている」という設定には驚かされました! -
地下配達
T.K.さん(小学4年生)
作品形式マイクラプログラミング
地下道を通ってスーパーから家まで荷物を配達してくれるロボットを作成してくれたKさん。
「暑い夏の日に食事に出かけるのが面倒くさく、Uber Eatsで宅配を頼んだのがきっかけです!」と話してくれました。地球温暖化にも興味があるらしく「去年より今年の夏の方が暑かった。そのうち家から出られなくなると思いました。」とのこと。マイクラのトロッコを使って、より早く荷物を配達できるのもポイントのようです。お城の作成や映画の撮影をしてくれるロボットの作成など、プログラミングでチャレンジしてみたいこともたくさんあるようでした!受賞のポイント
Uber Eatsや夏の暑さなど、身近なところの実体験をヒントから生み出されるロボットには説得力を感じました!
暑い日に出かけるのを「面倒臭い」と感じることも、生活を便利にするための重要な感情の一つだと思います! -
自動農場装置 輸送付き
西原 聡汰さん(中学1年生)
作品形式マイクラプログラミング
「学校の授業で日本の食料自給率が下がっている事を学んだ事が作品のきっかけになりました。」と話してくれた西原さん。
タネを撒き、収穫し、近隣の家まで食品を届けるところまでがオートメーション化されているロボットを製作してくれました。
現在日本の農家が減っている問題や、過疎地に住む高齢者へのサポートを念頭に置き、トータル的に解決する方法を考えてくれました。
ロボットが設置されたコミュニティごとに生産数もコントロールするため、地産地消やフードロスの観点もクリアできるとのこと。受賞のポイント
地域社会の過疎化、高齢化、農家の減少など、現代日本の社会問題について考え、解決方法を模索してくれたところが評価のポイントになりました。
いろんな地形を行き来できたり、一度にたくさんのものを運べたりと、ロボットの強みを活かした解決方法も提案してくれていたと思います! -
どんな災害も乗り越えるサステナブル住宅
北郷 成菜さん(小学6年生)
作品形式マイクラプログラミング
様々な災害に対応でき、自家発電もできる移動型住居を作成してくれた北郷さん。「地球温暖化など環境の変化によって、未来にはもっと災害が起こりやすくなるのでは?と思った。」と話してくれました。
御曽祖母様の足が不自由だった経験から、災害の時にお年寄りや障害がある人が生活スタイルを変えずに、安全に避難できる方法を考えてくれたそうです。
マイクラのプログラミングでこれからやってみたいことを尋ねると「疲れた時に出てきて、高さ調整などを自動でしてくれる椅子が作ってみたい!」と答えてくれました!受賞のポイント
災害時のいろんなケースを想定したくさんの機能をつけてくれていたのがポイントでした。
避難場所が狭くならないように家の1/3を切り離せる機能がある等、自由な発想がとても面白いと感じました! -
近代未来農業装置
和田 堅二朗さん(小学6年生)
作品形式マイクラプログラミング
「玉川大学で行われているレタス栽培の記事を見て、自分でも作ってみたいと思った!」と話してくれた和田さん。
管理された建物の中で継続的に作物を育て、収穫する仕組みをマイクラの世界で表現してくれました。
部屋の大きさに関係なく収穫ができるように、条件分岐を入れたり固定値をできるだけ使わなかったりと、プログラム自体へのこだわりも見せてくれました。
今後は家を量産するようなプログラムにもチャレンジしてみたいとのことでした!受賞のポイント
実際に行われている大学の研究がきっかけになったということで、普段からの情報収集や興味を向けている事の独自性が光った作品になったのではと思います!
コードエディタでのプログラミングにも慣れてくれているようで、綺麗なプログラムが書けていました。
-
オアシス設置ロボット「オセロ」
R.N.さん(小学5年生)
作品形式マイクラプログラミング
「大人になったときに暮らしやすいように、今暮らしている場所や環境をテーマにしました」と話してくれたNさん。
温暖化によって緑地が減り、その影響から動物たちがいなくなっていくことを問題として捉えてくれたようでした。
砂漠の中に意図的にオアシスを作り木を植えるロボットを作成し、作成後には「OASISUKANSEI(オアシス完成)」とコメントを残してくれるそうです。
今後プログラムで作ってみたいものを尋ねると「遊園地を丸ごと一個」や「空とぶ自動運転自動車」と答えてくれました! -
Automatic Garbagecan Blue
塚本 爽さん(小学3年生)
作品形式マイクラプログラミング
作品について尋ねると、「ゴミ収集車が持ってきたゴミをマグマの熱で一瞬にして燃やす仕組みです。」と答えてくれたのは塚本さん。
年齢やマイクラの経験もまだ少なかったこともあり今回はレジュメのみの提出でしたが、マイクラの機能を独自に調べてくれたり、自然エネルギーに注目したりと、下準備をしっかりした上での独創的なアイデアをみせてくれました。
ゴミ修正所にこのシステムをたくさん設置することで、短時間にたくさんのゴミを処理できるといった効果もあるようです!
-
和方先生賞
オアシス設置ロボット「オセロ」
R.N.さん(小学5年生)
作品形式マイクラプログラミング
-
山足先生賞
木こりお助けロボット スマート林業
宮川 菜月さん(小学6年生)
作品形式マイクラプログラミング
-
野間先生賞
空を飛ぶネズミをたおせ
古川 結基さん(中学1年生)
作品形式スクラッチ
-
阪口先生賞
むらびと
中西 慶智さん(小学1年生)
作品形式マイクラプログラミング