プログラミング教育

プログラミング教育の必修化は学校だけで足りる?小中高の現状と家庭でできる備え

「学校でプログラミングが必修になったって聞いたけど、授業だけで本当に身につくのかしら…」
「うちの子の学校、プログラミングの授業をやっている様子がほとんどないんだけど…」

みなさんこんにちは、プロクラスの吉田です。

2020年の小学校を皮切りに、プログラミング教育は小・中・高すべてで必修化されました。「もう学校でやってくれるなら安心ね」と思われた保護者の方も多いのではないでしょうか。

しかし、断言します。学校の必修化は「ゴール」ではなく「スタートライン」です。

これは音楽の授業とよく似ています。学校に音楽の授業があっても、それだけでピアノが弾けるようになる子はいませんよね。楽器が弾ける子は、例外なく学校の外で鍵盤に触れる時間を持っています。プログラミングも、まったく同じ構造なのです。

今日は、必修化されたプログラミング教育の「現状」と、学校だけでは足りない理由、そしてご家庭でできる備えについてお話しします。

プログラミング教育必修化のあゆみ(2020年小学校・2021年中学校・2022年高校・2025年共通テスト)

必修化の現状【小・中・高で何を学んでいる?】

まず、いま学校で何が行われているのかを整理しましょう。

小学校では2020年度から必修化されましたが、実は「プログラミング」という教科ができたわけではありません。算数や理科など既存の教科の中で、プログラミング的思考に触れる、という位置づけです。詳しくは文部科学省「小学校プログラミング教育の手引」に示されています。

中学校では2021年度から、技術・家庭科の中でプログラミングの内容が大幅に拡充されました。そして高校では2022年度から、プログラミングを含む「情報Ⅰ」が共通必履修科目になりました。

さらに2025年からは、大学入学共通テストに「情報Ⅰ」が加わりました。2026年の共通テスト「情報Ⅰ」の平均点は56.59点と、前年から12点以上も下がる難化となり、受験生の間で明暗が分かれています。プログラミングはもう、「一部の得意な子の特技」ではなく「入試で問われる学力」になったのです。

それでも「学校だけでは足りない」3つの理由

理由1【授業時間が圧倒的に少ない】

小学校には「プログラミングの時間」という枠がないため、実施内容は学校ごとにばらばらです。年間を通じて数時間だけ、という学校も珍しくありません。

週1回の積み重ねでも足りるかどうか、という世界で、年に数時間。冒頭の「授業をやっている様子がない」という声は、実は多くの学校の実態と合っているのです。

理由2【先生たちも手探りである】

プログラミングを専門に学んだ先生は、まだ多くありません。担任の先生が他の教科と兼ねながら教えているのが実情で、指導の質には学校差・地域差が大きく出ています。

これは先生方を責める話ではありません。必修化からまだ数年、学校現場が試行錯誤の途中にあるのは当然のことです。だからこそ、家庭側の備えに差がつくのです。

理由3【「体験」止まりで「作る」まで届かない】

学校の授業の多くは、用意された教材を動かす「体験」で終わります。しかしプログラミングの力が本当に伸びるのは、自分の頭で考えたものをゼロから「作る」ときです。

体験と創作の間には、大きな川が流れています。この川を渡るには、試行錯誤できる時間と、つまずいたときに導いてくれる環境が必要です。

体験から創るへ 学校の授業の体験を作品づくりにつなげるイメージ

ご家庭でできる備え【授業を「本物の力」に変える】

では、保護者として何ができるでしょうか。ポイントは「学校より先に、好きにさせておく」ことです。

ゲームやマインクラフトが好きなお子さんなら、その「好き」はそのまま学びの入口になります。学校で扱う内容を先に楽しく経験している子にとって、授業は「知ってる!できる!」と自信を持てる時間に変わります。

経済産業省の調査では、2030年に最大で約79万人のIT人材が不足すると試算されています(経済産業省 IT人材需給に関する調査)。学校教育の充実を待つだけでなく、家庭で一歩先に環境を用意してあげることは、お子さんの将来への確かな投資になります。

何歳から始めるのがよいかは、こちらの記事で年齢別に詳しく解説しています。
子どものプログラミング教育は何歳から?年齢別にできることと始め方

教室選びのポイントはこちらをどうぞ。
小学生のプログラミング教室、失敗しない選び方7つのチェックポイント

「好き」は学びの入口 家庭でゲームを楽しみながら学ぶ子供と見守る母親

まとめ

プログラミング教育の必修化は、小・中・高、そして大学入試まで一本の線でつながりました。しかし授業時間の少なさ、指導体制のばらつき、「体験」止まりの内容を考えると、学校だけで十分とは言えないのが現状です。

音楽の授業だけでピアノが弾けるようにならないように、プログラミングも「授業+自分で作る時間」があって初めて本物の力になります。学校が用意してくれたスタートラインを、どう走り出すか。それを決められるのは、ご家庭です。

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